12月のある日、塾(自宅で学習塾をやってます)の始業前、早めにやって来た小3
の男の子が「先生、クイズだすよ。」と言ってきた。手に持っているのは、数年前
から塾の図書コーナーに買っておいてある あそびのたからばこ⑮ いじわるクイ
ズ だ。
子ども達に人気の本だが、買って直ぐのころにも、小1の女の子に出題され、数問
連続不正解で、元来負けず嫌いな私は、「なんだそれ」とやや逆ギレ気味に、授業
の準備が忙しいんだよ的な雰囲気を醸して退散した。何が悔しいって、その答は、
あながち「あほくさ」と言いきれない「確かにさようでございます」としか言いよ
うがない。
苦い思い出だ。
なにー!!それは あの、、、、いや、今の私はあの時と違う。北村良子著 多角
的思考力を鍛える55の論理パズル と 論理的思考力を鍛える33の思考実験
を読んで論理的思考の修行をしたんだ。望むところだ、かかってこいや!
問題 たろうくんは30階建てのビルから飛び降りたのに、どこもケガをしなかったんたんだって。いったいどうして?
よく考えろ。全ての情報を冷静に処理しろ。だれも自殺とか言ってないし。屋上の
光景からはなれるんだ。わかった「一階から飛んだ」
「正解!」
問題 朝7時に東京駅を出発した新幹線のぞみ。2時間後にはどこを走ってるかな?
これはごっつぁん問題だ。さっきと同じく情報をもっともらしく並べて、真面目に
考えさせてしまおう作戦だな。そうはいかない「線路の上」
「正解!」
問題 下の絵を見ている人は全部で何人?
絵画の前に大人3人、子ども2人、犬1匹か。ここに来て子ども向け足し算問題な
わけないし。まして犬は人ではありません的なおちなはずもない。冷静に状況を判
断するんだ、わかった「この本読んでる君自身も含めて6人」
「正解!」
問題 しゃけのおにぎりが3こと、たらこのおにぎりが5こあるよ。ぜんぶあわせるといくつかな?
他の子達もやって来始めて、みんな集まってきた。「なになに?なにやってん
の?」「なぞなぞ」「えー、もう一回読んで」ヤバい、誰より早く答えなけれ
ば、、、。「はい!」「はい、先生」「全部のおにぎりをあつめてまとめたら大き
な1個」
「正解!」「すごーい」「すごーい、先生」ふふん。
問題 下の(絵)そっくりな二人は、同じ両親から生まれて、生年月日も同じ。でもふたごじゃないんだって。いったいどうして?
問題 あめ玉が10個あるよ。これを4人で分けるにはどうすればいいかな?
上の答えは、ふたごじゃなくてみつご。下の答えに至っては、適当に分ければ良
い、だ。確かに、どちらも間違ってない。必死に考え過ぎて行き過ぎて迷子にな
る。
問題 地球上で最後に生き残ったただひとりの男がいるよ。地球上にはもう動物も虫もいないのに、ある日男の住む家のドアがノックされたんだ!さて、ドアをノックしたのはいったい誰かな?
はい、来た。情報を雑多にして惑わす作戦。「はい!」「はい、先生」「女の
人!」「正解。先生はもうダメ。答えないで。みんなにだすよ」「ねえ~、先生は
伊達にみんなの先生してないんだよ。論理的思考って本をいっぱい読んで勉強して
いるからねー」
って、あんたら聞いてないんかい!
いかがだろうか。案外ひとの悩みって、このひっかけクイズのような面があるので
は?とかく私達は情報過多の中で迷子になりやすい。脳が初期段階で描いたイメー
ジがロックオンされ、それを正当化しようと考え過ぎてしまい、抜け出せなくな
る。
今一度悩んでいることの、内容、情報を整理して、考えが行き過ぎて出口を失って
いるのではないか、精査してみてはいかかだろうか。