伸びる子が育つ環境作り 〜現場で気づいたこと〜

 

 

新学期が始まりました。

私の学習塾にも、子ども達の声が戻って来ました。私自身久しぶりの授業に少し緊張するのですが、最初の新小2の授業で、「ずっと今日を楽しみにしてた〜」「毎週火曜日になると塾に行きたかった〜」と口々に言ってくれます。天使たち、パワーをありがとうございます。

 

今日は、これまでに飛躍的に伸びた子達の、ちょっとした行動で気づいたことなど、学習する時に大事じゃないかな、と思うことをまとめてみようと思います。

 

 

 

 

 

鉛筆の濃さと筆圧、運筆力 

昨日の新1年生のクラスでは、まず運筆の練習として迷路に取り組みました。市販のもですが、緊張して来る子達のとっかかりとしては、遊び感覚で喜んでくれました。鉛筆の持ち方もよく、難易度の高いものでも、諦めず何度もやり直す姿は素晴らしいと思いました。さらに、「じゃあ、行けない方にはバツをつけようっと」と工夫をするのも凄い。

 

その子に、持っている鉛筆の中から2Bを渡して、「これにしてごらん」と渡すと、スイスイ進めるようになったのです。不思議ですが、わずがな運筆のストレスの違いが、脳に何らかのサインを送るのだと思います。

 

私は、自分の塾を立ち上げる前に、公文式でアシスタントをし、右脳開発教室で講師をしました。どこででも、鉛筆の重要性は感じました。

 

夜になると、新中1の子達が来ました。このクラスの新人の男子、とても礼儀正しく、声も出ます。しかし書くことになると、やはり運筆が弱く、字が汚いではなく文字センスがない。残念ながら、これまでに書くことをあまりしてこなかったことが伺えます。

 

塾には地域の複数の学校の子が集まるわけですが、面白いほどに、学校のカラーが子どもたちに表れます。地道な昔ながらの、漢字◯回書いて来なさい、という課題も大事だな、と私は感じています。

 

 

左手を出す

運筆は絶対条件ではありませんが、姿勢は絶対条件と言えます。

姿勢がいいのに残念ながら、成績は芳しくない頑張り屋さんケースはありますが、逆に姿勢が悪いのに勉強ができる子は見たことがありません。左手を出さないと、体が歪みます。背筋が伸びると脳に刺激が与えられます。それを利用して、脳性麻痺の子が乗馬トレーニングで成果を上げたという話を聞いたことがあります。左手を添えるだけで、姿勢が変わります。

 

 

 

地頭を鍛える 

 やんちゃな男の子達が連れ立って入会してくれたことがありました。彼らは勉強習慣が乏しく、学習で達成感を味わったことがないのか、投げやりで、それを隠すために斜に構えます。まして仲間がいるので、やりにくい。そこで彼らだけのクラスを作り、様子を見ました。

できないことよりできることからと思い、小6でしたが、競わせてジグソーパズルをしてもらいました。達成感と向き合う姿勢ができてきたところで、学習に戻すと、「わからない」「何がわからない」を言える子が出てきて、少しづつ全員が底上げされて来ました。

 

タブレットは、確かにクオリティの高い知識を得ることもできます。地頭を鍛えるのは、脳と身体の連動が必要です。子どもが1日に使える時間は限られています。子どもに何を与えるか、親御さんの知恵とポリシーが大事になって来ますね。

 

 

 

はてな を放っておかない

 常に学年トップの男子がいました。

英語の長文を読んでいた時のこと、『家族で長野県の◯◯山に登りました』のところで、彼がいきなり「先生、地図帳貸してください」というのです。「どうしたの?」「◯◯山が本当に長野県か、確かめたいんです」びっくりでした。

 

また、わずか1年半で、入塾時26点から、最後の試験で学年トップの点数を取った、ビリギャルみたいな子もいました。彼女は、いつも何点でも飄々としていました。ただ、間違えた問題を私が側に行って解説した後、「わかりました」と言うので側を離れると、必ず筆箱から小さなファンシー手帳を取り出すので、何してるのかな?と見ると、彼女なりに、教わったことをメモしてるのです。

 

 

 

伸びる子には、必ず自分流のこだわりがあります。それを自分で見つられるように、見つけたいと仕向ける環境を与えてあげることが大人にできることだと思います。

 

そしてその経験が社会に出てから活きる。活きた学びといえると思うのです。

 

 

 

 

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