上を向いて歩こう
昨日水曜日は鍼治療の日。きちんと通っていると、自律神経系の症状が楽になる。
きちんと通えているには、もう一つ理由がある。
先生ととても話が合う。71歳男性。もう心の中で『マブダチ』『鍼友』とお呼びしている。
先生は、卒業後しばらくはヤマハのバイクの営業をされていたのだけれど、その後一念発起して、プロの競輪選手になられ、日本全国で活躍されたそうだ。ブイブイ言わせていた時期。しかし、大きな転倒事故をきっかけに、鍼灸を学んで開業へ。
先生に施術してもらいながら、よく涙を流してしまう。自分とよく似た人だから、無理なく私を肯定してくれるし、似ているからこそお世辞は言えない人とわかっているので、信じて寄りかかれる。人付き合いが苦手な私には貴重な存在だ。
「banchan、『上を向いて歩こう』ですよ。
松山英樹、パシッとね。上を見て進んだんですよ。下を見ていては、天のパワーを受けられないからね。」
と話してくださった。なるほど。
「池江璃花子さんね。インタビューが良かったね。『努力は裏切らない』
でも、他のライバル達も努力したんだろうからね。1日24時間しかないのは、皆平等だから。努力だけじゃなかったんだね。」
この先週のお言葉と、今週のお言葉をすり合わせると
一生懸命努力して、上を向いて歩く人 が強いと言うことだ。
間違いない。自分もそうありたい。
涙がこぼれないように
思い出す 春の日
一人ぽっちの夜
ポジティブなタイトルに、なんと哀愁を誘う歌詞だろう。その気分の時ならイチコロで泣けてしまう。
松山英樹じゃないけど、坂本九さんはこの歌でアメリカビルボード誌で、100週間1位と言う快挙を遂げたという。
昭和の歌には、何か力があると思う。
ありふれた言葉だけど、そうそう簡単に擦り切れてしまわない。
それは、私たちが言葉を感じることができたからだろうか。
雪がシンシンと降る
絶妙な言葉だ。
子どもの頃、冷え込んだ夜のあくる朝、一面の銀世界になっているのを経験している。
うさぎ追いし かの山
小鮒釣りし かの川
夢は今も巡りて
忘れがたき故郷
まさに、子ども頃、自然に囲まれて野武士のように山の中を探検した日々が蘇ってくる。
歌詞の奥に、懐かしさや温かさとともに映像が浮かんでくる。
言葉を感じることができる。
鍼の先生がこうも言っていた。
「若い人にね、『そんな贅沢だよ、世界には貧困にあえぐ子ども達がいっぱいいるんだよ』というと『見たことあるけど、わからない』と悪気なく言うんだよ。」
ネットを使えば、世界のリアルを見ることができる。
昭和の私達は、想像するしかなかった。
新聞や本、文字を通して、言葉を通して理解しようと懸命に感じていた時代なのかもしれない。