種を蒔くとき

 

占いのブースに入った時、手相はコミニュケーションツールとしても素晴らしく使えるツールです。

 

塾の先生としての私も、伝えたいことの100%を語りきろうとして熱くなり過ぎて、子ども達を置いてけぼりにしてしまっていたことに気づき、熱弁の授業の後に疲労と反省で撃沈することが多々あるのですが。

 

占い師としての私も、四柱推命で見えてきたことの結論だけでなく、何故それが言えるかまでわかってもらいたくなり、目の前のご相談者様の渋〜い顔にハタと気づき、四柱推命トークを一旦止めて、「すみません。手のひらをみせていただけますか。」というのです。

 

手相は、線そのものが説明書になり得ます。「この線がここからこのよう出ていると、こういうことが言えるのです。」とお伝えすれば、納得の表情です。

 

先日も、四柱推命で「学問で開運されますよ」とお伝えしても、ノーリアクションだったので手のひらを見せて頂き、その瞬間に、両手にしっかりと現れていた線から「教育関係の方ですね?」とお尋ねすると、「高校の教師です。」とおっしゃられ、話がスムーズに流れ出しました。その後、再び四柱推命に戻して、ご相談内容について運気の流れを絡めてご説明する、という手法が上手く納得してもらえるパターンになっています。

 

手相というのは、不思議なほどにその人物を物語っています。

 

手のひらはピンク色でふわふわとふくよかな方が良い状態です。

 

5本の指の付け根は、それぞれの持つパワーのエネルギーの源になります。

指の付け根の膨らみは、いわばエネルギータンクのようなものです。

 

人差し指の付け根は、向上心や独立心、努力、といった自己の強さを表し、そこからリーダーシップや指導力などのエネルギータンクだといえます。

 

中指の付け根は、忍耐、勤勉、研究心などの、物事に取り組む時の適応力、継続力を表すことから、社会性、仕事運などのエネルギータンクといえます。

 

薬指の付け根は、自己表現能力のエネルギータンクで、社交性、芸術性、人気、成功、といった意味を持ちます。

 

小指の付け根は、交渉力、商才、知的能力のエネルギータンクで、即ち財運に関わる情報が眠っているといえます。

 

親指の付け根は、愛情、健康、体力、といった自分から湧き出すパワーのエネルギータンクです。人生を楽しむ、芸術的な事を生み出すと言ったことに繋がります。

 

・各指の付け根以外にも、手のひらの中央部や、親指の反対側(小指の付け根より下)の盛り上がり、手首に近いあたりの盛り上がりなどがありますね。それらも大事なエネルギーのタンクになっています。(今回は長くなるので、割愛します)

 

そして大事なことは、基本的にそのタンク(付け根)に縦の線が入っていることです。縦線がそのエネルギーを享受できていることを表しているのです。(親指の付け根は横筋が入っていることが、愛情が旺盛を示します)

 

例えば、薬指の付け根の縦線があれば、それはどこから伸びてきていても、成功や夢の実現、自営業の人には嬉しい『太陽線』と呼ばれる線になります。

小指の付け根の縦線は、『財運線』と呼ばれ、金運に関する情報になり、出発点でどうやってお金を得るのか、また線の状態で、お金の使い様がわかるのです。

 

 

 



 

四柱推命も似たようなことが言えます。

 

四柱推命は生まれた年月日時間で『命式』を作って、その人の持つエネルギーの流れを見ていきます。

 

『命式』は八字の漢字でできています。

     壬 甲 丁 庚

     申 辰 亥 子

 

例えばこのように表されます。

下の四字は、十二支でお馴染みの漢字です。十二の種類の中から、生まれた瞬間に四字が選ばれて決まります。

 

この四字が、その人のエネルギータンクになります。

一つの文字で一つの種類のエネルギーを蓄える大きなタンクもあれば、一つの文字で小ぶりながらも三種類のタンクを持つものもあります。

 

これも手相の縦線と同じように、エネルギータンクがあるだけでは、その力を表に出すことができません。

表に出す、プレイヤーが上の四字です。

 

ただし、このプレイヤー達とマッチするエネルギーの入ったタンクが必ずしも下の四字にあるとは限りません。

なんせ、生まれた瞬間に、十種類あるプレイヤーの中から四種類だけが選ばれ、十二種類あるエネルギータンクから四種類だけが選ばれたのですから。

 

大きなタンクのエネルギーとマッチするプレイヤーは大きな力を発揮し、マッチするエネルギータンクが全くないプレイヤーは弱く控えめになります。

 

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四柱推命が深くて、面白いところはここから始まります。

 

自分自身を表すプレイヤーとその他のプレイヤーとの力関係。強ければ良いわけでもない時があったり、弱いからこそいい働きをしてくれる場合があったり。

そもそも、プレイヤーと仮に例えた四つの「天干」自体に、様々な個性や関係性があります。

 

 

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プレイヤーと例えた「天干」同士の関係性や、エネルギータンクと例えた「地支」の供給が、その道にピッタリ!という人物が天才と言われ非凡な道を行くことになるようです。

 

それでも、「天干」には十文字中の四字、「地支」には十二文字中の四字しか用いられないのです。完璧な組み合わせ、完璧な『命式』、完璧に用意された人生などないということです。

 

何かの不足は、逆に言えば、それこそがその人の個性なのです。

自分を知り、自分にとっての「種を蒔くべき春」がいつなのかを把握する。

自分にとっての冬がいつなのかを把握し、受け入れて足掻く事をせず、春まで待つ。

 

というのは、持って生まれた『命式』の中に、欲しいエネルギータンクが無くても、ご存知の通り、毎年やって来る干支が欲しいエネルギーを持ったタンクとして巡って来るのです。

 

また、『命式』の中でふさわしいプレイヤーがなくて、しっかり使われていないエネルギータンクがあるとしても、ふさわしいプレイヤーが巡って来る年があるのです。

 

 

他人と自分とは、プレイヤーのタイプが全然違うし、季節の流れ方(良い時、悪い時)も違う、比べようがない事を知れば、根性論ではなく、最適な人生があると思うのです。