労働の対価に何が欲しいか
ヤツ(息子 30代)はなんで、定期的に
「仕事なんか辞めたい」と言うのか。
何か為になる事言ってあげたいと思うのだけど。
「主夫で許されるのなら喜んで」と言う。
教育関連の出版社に居るのだけれど、問題はそこではないらしい。
「ラーメン屋さんとかで、子どもが玩具貰うんだけど、
あれってありがとうって言わせるべきなのかなぁ。
お金払ってるし、その上ありがとうって言ったら負けた気
がするんだよね」彼の発想はちょいちょいユニークだ。
私なんか、ありがとうの大安売りしちゃう。
いやでも、私はちゃんと「有り難い」と感じてると思う。
店員さんでもいろいろだけど。神対応を経験したことがある。
7~8年ぶりに入ったミスタードーナツで、
何も言わないのにお水を出してくれた。
「お水が欲しいの覚えて下さってたんですか?」と聞くと
「はい。氷なしでしたよね」と。
全く感激だった。
お仕事は、受ける側のカスタマーとしては、本当に感謝だ。
時短ばかりで、外食難民になった夜型夫婦の私達に、
サッと夕食を出してくれるココスの人。
大晦日や元日も働いてるレジの奥さん。有り難い。
行動範囲が狭いので、、、本当はもっともっと。
ある夜、NHKの”逆転人生”を見ていた時のこと。
心臓に重い病気をもった2歳の女の子。
アメリカで心臓移植を受けられるようになるまでの、
ご両親と支援者の皆さんの奮闘のエピソードだった。
いよいよ移植を受けにアメリカへ向かう医療用ジェットの中で、
意識が朦朧としているその女の子の腕に、ぬいぐるみが抱えられていた。
つらい闘病生活を、このぬいぐるみが励ましたのかなと感じた。
そのぬいぐるみは、息子の会社のキャラクターだった。
働くって夢がある。いい仕事してるよ。あなたは。
「この窓」からはそう見える。
少なくとも私自身、労働の対価に何が欲しいかと聞かれたら、
暮らしていける程のお金と、
生き甲斐と思えるような手応えだと答えると思う。
だから働いている人達に、
私が欲しいと思う手応えをあなたにも僅かでも返そう
と、ありがとうって言うのだと思う。
労働の対価に何が欲しいか。
それによっては、世界の見え方も変わるかもしれない。
人の数だけ答えがある、おもしろい。